2万年前の船を復元する!
そんなプロジェクトが与那国で去年3月から始まった。
石垣島の発掘調査で2万年~3万年前の地層から人骨が発見された。DNA鑑定をした結果その人骨は大陸から渡ってきたとわかった。
ではどうやって大陸から石垣島に渡ったのか?
しかも同じ地層から猪の骨も出てきている。
つまり、2万年以上前に人類が船を作り猪などの食料をのせ海を越えて琉球のそして日本の島々に渡って来たことになるのだ!
ではいったいどんな船で海を越えてきたのか?
去年の冬に南山大学で考古学、人類学、地質学、シーカヤックの専門家などの第一人者の方々が集まり、「旧石器時代の船のを復元し実験航海を行う」ための会議が行われた。
船の復元といってもどんな舟のタイプだったのかを検証するために各分野の専門が研究発表をする。
バークカヌーと言われる樹皮舟、
動物の皮を使った獸皮舟 、
大木を削り出したくり抜き舟、
竹を束ねた竹舟、
そんなの専門家の方々に混ざり、ぼくは草を束ねた船「葦船」の話をさせてもらった。
全てに可能性はあるのだが先ずは葦船を実験的に作って与那国で浮かべてみよう。
と、なったのだ。
そして、今回は与那国に大量に自生しているガマ科のヒメガマを使って船を作ることとなったのだ。
昨夜は地元の人たちに葦船の事を理解してもらうために講演会を開いてくれた。
さぁ、来週末の舟作りに向けてこれからヒメガマの刈り取り作業をするため出発だ!
「最初に与那国島を発見した人々」
人類はその長い歴史のどこかの時点で舟を発明し、遠い海上の島を発見して、暮らすようになりました。
そんな人類最初期の航海技術を探る上で、琉球列島そして与那国島が重要であることが、最近の研究で明らかになってきています。
3万5000年以上前の祖先たちが、どんなチャレンジをして与那国島へやってきたの か、その手がかりを探ります。
海部陽介(国立科学博物館 人類研究部人類史 研究グループ長)