葦船学校とは?
葦船学校は、石川仁が作り出した葦船作りのノウハウをもとに古代の船を作って、乗って、遊んで、学ぶをテーマにしたワークショップです。
小さな子ども達から、おじいちゃんおばあちゃんまで、年齢も性別も、障害も関係なく参加できます。
みんなで作った葦船は、そのまま海や川や湖に浮かべて、遊びながら自然と語り合う時間を過ごせます。
そして、月日がたち、船としての命が終わったら、土へと帰してあげてワークショップの終わりとなります。
ぜひ、みんなで作る喜びと、自然と遊ぶ楽しさを葦船学校で学んでみましょう!
日本葦船学校
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いままで開催された葦船学校
日本葦船協会(旧カムナ葦船プロジェクト)では2023年3月現在までに、日本各地で大小合わせて
328艘以上の葦船作りしてきました。
■環境イベントで
・COP10=生物多様性条約第10回締約国会議のパートナーシップ事業 「葦船プロジェクト」12mの葦船で名古屋港から伊勢神宮まで150キロの航海。
■教育現場で
・熊本県八代市鏡町立文政小学校では、5年生の総合学習として、地元特産のイグサで船作り。校内のプールに浮かべる。
■神社のお祭りで
・熊野本宮大社精霊萬燈祭にて鎮魂のため御霊をのせて熊野川に流す。
■法人団体で
・共益社団法人諏訪圏青年会議所主催「葦船プロジェクト」にて、4艘の葦船を80人で作り、諏訪湖に浮かべて乗船。
■音楽イベントで
・TURTLE ISLAND主催のイベント 橋の下世界音楽祭 ~SOUL BEAT ASIA ~にて、8mの葦船を制作、イベントのアートとしても活躍。その後木曽川にて乗船
■NPOのイベントで
・いしのまきNPOセンター仕事探検隊にて小学生を中心に2艘の葦船を制作。北上川にて乗船。
主催される団体も多方面にわたり、水質浄化のシンボルとして、自然を学ぶ教育の一環として、テレビ番組の企画として、アートの作品として、それぞれの趣旨にあった形で葦船が誕生しています。
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開催までの手引き
1.準備するもの一覧表
2~3人乗り 5mサイズの例
船体用 葦の束 長さ2m~3m 1束の直径約20cm前後 25~30束
船体用 クレモナロープ 直径6mm×200m 1巻き
船体用 バインダーひも(ジュート麻) 太さ3mm 840m1巻き
船台用 ビールケース(酒ケースでもOK) 4個
船台用 竹 直径5cm以上(丸太、鉄パイプでも可) 3m以上×2本
用具 釘抜き、またはくぎ抜き付きハンマー 4本
用具 横槌 or バット 2本 ※絞込みのときに使用
用具 ノコギリ 1本
用具 剪定ばさみ(片手用) 2本以上
用具 ビニールテープ 1巻き
備品 軍手 参加者分
備品 熊手 竹ぼうき 数本ずつ
備品 ゴミ袋 10枚程度
備品 名札、(ガムテープでも可) 油性マジック
備品 ブルーシート 3.6m×2.4m 2枚
備品 救急箱 1箱
備品 お神酒、コップ 各一つずつ
乗船時 ライフジャケット 2枚以上(こどもが参加の時は子供用も)
乗船時 パドル 2本以上
運搬 トラック 1台
運搬 船の運搬用トラックロープ
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2.葦の刈り取り
材料となる葦の束は、購入する方法とみんなで刈り取る方法があります。
購入する場合は、北上川、琵琶湖、渡良瀬遊水地の茅葺きの会社から季節を問わず一年中購入することができます。詳しくはご相談ください。
刈り取る場合は川や沼地で生息しているものを冬の枯れた時期に刈ります。道具はカマで刃にギザギザがついているものがおすすめです。
1束を直径20cmで穂を上にして根元から50cmくらいのところと1.5mのところで束ねます。半日あれば5人~10人で一艘分の葦が刈り取れます。
(この際もボランティア保険に加入してください)
刈り取る時期は、葦の新芽が芽吹く1月上旬~4月上旬までです。
3.環境
会場の広さは大体10m四方以上が必要になります。
室内でも野外でも可能ですが季節や天候などをふまえて場所を決めましょう。
夏の晴天時は作業自体が困難です。日射病などの対策も考えて屋根のある風通しのよい場所を選びましょう。
また、室内であれば片付けのことを考えて、ブルーシートを事前に敷くことをおすすめします。
葦船作りは雨にぬれるとロープが硬くなり、作業が難しくなってしまいます。体育館や倉庫などの屋根の付いた場所を確保して、雨天の時に変更できるようにしておきましょう。
4.許可・申請
刈り取りの際、もしくは乗船の際に許可が必要になります。
・河川の場合は、最寄の河川事務所
・港ならば港湾事務所、漁協事務所
・池や湖ならば、県や市またはその所有者それぞれの許可申請を事前におこなうようにしましょう。
・ボランティア保険ワークショップ開催の際には、必ずボランティア保険に加入して頂きます。
5.乗船するために
シングルパドルまたはダブルパドルを用意しましょう。乗船の際には、ライフジャケットを着用します。
風が強い時や、子供だけで乗る場合には、救助船を準備しておくことをおすすめします。
河川の場合、流れがあるので葦船を20~30mのロープで陸と固定しての乗船となります。
海の場合、入り江や波が穏やかな場所、もしくは港内に限ります。同じくロープでの
固定が必要です。
湖の場合、伴走船があり風が強くなければロープなどの固定なしに乗船が可能です。
6.タイムスケジュール
2~3人乗りマスト付き5mサイズの例 (チチカカ湖式※)
標準サイズの5mの葦船作りはⅠ日コースと2日間コースがあります。
1日コース場合は乗船時間などが短縮されますが、十分楽しんで葦船作りが出来ます。
イベントの関係で1日しか時間が取れない、地元の方だけでなく
遠方の参加も募集しているので、連日は難しいという場合におすすめです。
2日間の場合は、葦船作り、乗船ともにゆったりと時間が取れるので
細かい説明や作業を交代しながら学べます。
葦船作りをしっかり覚えたい、余裕を持って作りたい方々におすすめです。
1日の場合タイムスケジュール
8:30~9:00 会場準備(スタッフのみ)
9:00~9:30 講師による作り方の説明とロープワーク
9:30~11:00 チョリソ作り
11:00~12:00 大チョリソ作り
12:00~13:00 昼食
13:00~14:00 螺旋巻き
14:00~15:00 船体の絞り込み
15:00~16:00 波除けの取り付け、仕上げ
16:00~17:00 進水式、乗船
17:00~17:30 搬出、片付け
終了
2日間の場合のタイムスケジュール
1日目
8:30~9:00 会場準備(スタッフのみ)
9:00~10:00 講師による作り方の説明とロープワーク
10:00~11:00 チョリソ作り
11:00~12:00 大チョリソ作り
12;00~13:00 昼食
13:00~14:30 螺旋巻き
14:30~16:30 船体の絞り込み
16:00~16:30 片付け、終了
2日目
9:00~9:30 波除けの取り付け
9:30~10:00 船体の仕上げ、片付け
10:00~10:30 移動、乗船準備
10:30~12:00 進水式、乗船
12:00~13:00 昼食
13:00~15:30 乗船
15:30~16:00 搬出、片付け
終了
(注)上記したスケジュールは1つの例です。
葦船の大きさ、素材によって時間が異なります。
また、作る時間と乗船時間を調整することもできます。
7.運搬方法
運搬の際はトラックをご用意ください。
1人乗り程度であれば軽トラック、2人乗り程度であれば1t~2tトラック、4人乗り以上では4tトラック、ユニック車での運搬となります。
葦船をロープで固定するときは、経験のある方がキッチリ結ぶようにしましょう。
乗船後、濡れた葦船を載せたり、下ろしたりする時には10人以上の人数が必要です。
8.閉校後、葦船の保存方法
乗船が終わったら、まず水抜きが必要です。1日か2日かは船から水が出ますので、展示などをする際は完全に乾き切ってから設置しましょう。
船首と船尾が下がらないように、支えを取りつけます。日陰で、風通しの良い場所で保存します。野外の場合は、
ブルーシートなどで雨がかからないようにしましょう。
9.自然へと返す方法
葦船の乗船や展示が終わった後は、葦船を自然に返しましょう。
この時、進水式でセレモニーを行うように、船の命終わった後にもセレモニーを行い、大地に葦船を返します。
方法としては
・堆肥にする。・燃やして灰にする。
・野焼きで土器などを作る。
・葦船に土を盛って花壇にする
・土を盛って水上に浮かべ水上花壇にする
・バラして、紙にして葉書などで再利用
・大型の葦船などの場合は竪穴式住居や
茅葺き屋根に再利用する。
10.ワークショップの終了
ワークショップを開催する前に、最後はどのように土にかえすのかまで話し合って決めておきましょう。
これは、「自然からお借りしたものはおかえしする」という昔からの大切な教えです。
命が終わり、葦船を大地にかえし自然にありがとうのご挨拶をします。
ここではじめてワークショップの終了となります。
11.よくある質問
Q.参加人数は何人ぐらいが良いですか?
A.5m2人乗り場合は大人15~20名、小学生の場合は小学生15~20名+大人4人が目安です。参加者がそれ以上の場合は2艘作るのをおすすめします。
Q.葦以外でも船は作れますか?
A.ススキ、荻、イグサ、フトイ、笹、セイタカアワダチソウ、イネワラ、ムギワラでもできます。
Q.葦船の重さはどのくらいですか?
A.5m二人乗りなら乾いた状態で100kg、乗船のあと濡れると150kg以上になります。
Q.身体に障害があっても参加できますか?
A.視覚・聴覚の障害、車椅子でも参加できます。
Q.パドルやライフジャケットはどうすれば、いいですか?
A.地元でカヌーをされている方にお借りする場合が多いです。もちろん、購入することもできますし、カムナ葦船プロジェクトでもレンタルしていますのでご相談ください。
Q.葦船はどのぐらい保ちますか?
Å.保存状態によりますが、天然素材のロープ(マニラ麻、ジュート麻)を使う場合、1年が目安になります。ナイロン製(クレモナロープなど)のロープを使い保存状態がよければ2~3年は乗船可能です。
お申込み方法
団体名(個人の方は氏名)、担当者の氏名、ご連絡先を明記の上、葦船学校希望と記して以下の「問い合わせ」ページからメッセージをお送りください。
また、ご質問、ご不明な点がありましたらお気軽にお尋ねください。
よろしく、お願い致します。
日本葦船協会(担当:石川)