葦船とは

 

葦船ってどんな船?

葦船とは、ヒトの歴史においては最古の船とされ、
葦(パピルス・リード)を縄で束ねただけの原始的な船です。

古くは、エジプト文明やティワナコ文明に登場し、
ティグリス川、ペルーの海岸線、アマゾン川、ラプラタ川、ナイル河、チチカカ湖、ヴィクトリア湖等に現存しています。

世界各地の神話や伝説の中にも登場し、アメリカ西海岸の先住民ホピ族の祖先は、
葦船に乗って大陸間を行き来していたとされ、アンデス・インカの初代王マンコ・カパックは、
葦船に乗りチチカカ湖に降り立ったと語り継がれています。

日本では、イザナギノミコトとイザナミノミコトとの間に生まれた最初の神様である蛭子命が、
葦舟に乗せられて海に流されたと「古事記」に記されています。

秋田市の日吉八幡神社や鹿島神社などでは、葦船が神輿となっており、
神事としての葦船の姿が日本各地に今もあります。

葦船での漁が行われていたという話も伝えられており、屋根を葺いたり、むしろを編んだり、
その記憶は私達の生活の中に脈々と受け継がれています。