海族便り~黄波戸にて~

思いもかけず、ギフトが届く時があるとは聞いていたが、今日だとは知らなかった!

今日は、朝8時から朝市があるよ、とはお店のおばちゃんに聞いていた。

普通、朝市というと商店街に出店を構えて、「お兄さん、安くしとくよ!おまけするからもってきな!」と、普通に予想していた。

しかし、市場に行ってみると、様子がまるで違う。競り人の回りにバケツを手にした人々の黒山の人だかりだ。
でも、ただの人だかりではない、みなが殺気立っている。
でも、ただの殺気立った人だかりではない。
ほとんどが60歳以上のおばちゃんだ!
バケツを手に目が笑ってない。

どういうことかというと、近所のおばちゃんたちが市場で魚を競り落としているのだ。

生きたタコ、羽根をバタつかせている飛魚、サザエにタイにヒラマサ、サメまでいる。

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しかし、残念ながら町の住人でないと買えないという。

ガッカリしてヨットにもどると、どっからきたと漁師さんらしきお父さんが立っている。白い髭が胸まで届きそうだ。

「千葉から来たんですよ。」
と、答えると、
「千葉のどこかね?」
と、聞いてくる。
「千葉の市川です。」
と、答えると、
「市川のどこかね?」
と聞いてくるではないか!
「市川の本八幡です。」
と、答えると、
「ああ、本八幡か。ワシも市川から来たんじゃ!」
「えっ??」
どうやら長い髭のお父さんは、市川に住んでいたが、定年を過ぎ生まれた山口に帰ってきたらしい。

それにしても驚いたが、驚きはそのあとも続き、これ持っていき!

と、渡されたスーパーの袋には、サザエと飛び魚が入っているではないか!
それも山ほど!

贈り物が突然やってきた朝だった。

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森山さんと!

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