梅雨らしい曇り空の下、室津湧田漁港を出航。
無風だ。
明日からまた低気圧が来るので行けるとこまでいくぞ!
腰に手を当て、目を細めて(もともと細いが)遠くを見る。
この先、何日間か予定してる港の近くにはガソリンスタンドがない。
調べるとここから3マイル離れた次の港にはあるらしいので燃料を補給する事に。
野球場より小さいだろうか、静かな漁港に入り一時係留した。
網を片付ける漁師さんに、
「油買いにいくので、ちょっとおかせてください」
と、僕。
「ああ、えーよ!」
と、人なつっこい笑顔でおじいさん。
スタンドで軽油を買ってヨットに戻るとき、
「ありがとうございましたぁー!」
と、僕。
「あぁ、気をつけて帰りんさい!」
と、当たり前のように笑顔で答える。
ああ、僕はいま帰り道にいるんだ。
そう、あと2,000キロの帰り道。