葦船と出会うもっともっと前、初めての大きな旅がサハラ砂漠をラクダで行く旅だった。
海のことを「青い砂漠」と呼ぶという。
今回の海旅一座で砂漠から学んだ体験も少し話せたらとも思う。
海旅の原点がそこにあるのだからから。
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砂漠をひとりで歩く。
そこに答えがあると信じていた。
たとえどんな事があろうとも、生きていられるだけで幸せなんだと実感したかった。
頭でならわかる。
でも細胞のひとつ一つにガッツリ刻み込みたかった。
そのために、砂漠という生と死のボーダーラインをひとりで歩くことを選んだ。
死んでしまえばもちろんそれまでだ。
でも、生きて帰れたらきっとその「答え」を手にしているはずだ。
二十三歳の僕は愛しいくらいにガムシャラに純粋にサハラ砂漠を歩く旅に向かって旅立った。
一頭のラクダと共に一人で半年かけてサハラ砂漠2700キロを歩き終え旅の終わりを迎えたとき、手にしていた「答え」それは想像とはちがう別のものだった。
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