海族便り~宮城県石巻港より~

ぼくらはいま「ヨットの神様」と一緒にいる。

神様との出会いは八戸の港だった。
神様というのは僕らが付けたあだ名でもちろん生身の人間だ。

名前は笹岡耕平さん。
僕は全く知らなかったが、世界一周レースをはじめ数多くの国際レースに参戦。
時にはオーガナイザーとして
レースチームを編成し日本ヨット界に歴史を刻んでいる。
ヨットに関する著書はディンギーヨットの教科書本や6年間ヨーロッパ地中海を船旅した本など20冊以上出版されている。
プロのヨットマンとして50年の経験、ヨット走行距離は合計150,000km。
いろいろ挙げたらきりがない。
70歳を越えた今でもメチャクチャ元気で、ひとりヨットに乗り日本一周をされている。(ちなみに日本一周は十数回目)

つまり、

僕らにとってはまさにヨットの神様なのだ!

そんな笹岡さんと偶然八戸港で出会ってからすでに1週間が過ぎている。
セーリングのこと、太平洋横断のこと、エンジンに保存食にヨーロッパのバーのことなど、どんな質問をしても何でも答えてくれる。
僕らも遠慮なく聞きまくる。
お陰で、セーリングも上達した。
最初は神様のヨットと一緒に出航してもすぐに見えなくなり、目的港まで3時間遅れの到着だった。でも昨日はしっかりついて行き石巻港までちょっと遅れで入港できた。
もちろん、手加減してくださったし、神様はクルージングヨットなので性能は僕らの艇の方が上なのだが‥‥。

ヨットの神様との出会いでぼくらは「何か」に触れ始めている気がする。

もしも、あの時エンジンが壊れてなかったら出会えなかった。
そう思うと、僕らの進んでいる道のりには愛すべきいろいろな意味があるのだと大きくうなずいてしまう。

アマナ号日本一周も旅の最終コーナーを回ろうとしている。

次はFUKUSHIMAへ!

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