海族便り~珠洲港から姫川港へ~

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厚みのある重い雲の天幕が上がっていった。

北アルプス白馬岳が海の上に堂々と重厚に黒く猛々しい姿を現した!
山頂から中腹にかけて残雪が山襞(ヒダ)をまだらに埋めている。

いつものことながら、海からいきなり立ち上がる山々は雄弁だ。

この山が静かに語る響きがみんなの胸元へと伝わるだろうか。

海族便り~珠洲港より~

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ダニ事件勃発!

しげさんが3日前から、ダニかノミに数十ヶ所も刺されまくって、かゆくてかゆくて眠れない夜が続いた。

とにかく干せるものは干してパンパンしよう!

アマナちゃんは、まるで難民船だ!

海族便り ~西海港より~

昼過ぎに西海港に無事到着し、今日も潮をかぶったから温泉はいるべ、とタオル片手に港近くの「とぎ温泉センター」に向かう。
前日、京都からカムナ号クルーのあっちゃんが合流して今日は3人だ。

塩の少し混じったトロンとした良質の湯にザバーン、と浸かって極楽へ昇天。

すると、
「兄ちゃんたち、どっから来た?」
と、横で入っていた地元のおっちゃんに話しかけられた。
カクカクシカジカとヨット旅の話をし
た。

おっちゃん、一瞬の沈黙のあと、
「兄ちゃん達、カニ食うか?」
と聞かれた。
「へっ?」一瞬止まったが理解した瞬間に頭の中でファンファーレが鳴り響いた。
まさに夢の世界へと誘う天使のお言葉が降臨したのだ!

「い、いただきます!」
と、目をむいて目を乗り出し答えると、
「魚とイカも食うか?」
「野菜はあるのか?」
「酒も飲むか?」
と、うっとりする魅惑的な言葉が頭の中でメリーゴーランドのように幸せそうに回っている。

「そしたらヨットに持って行ったるわ」
と、漁師のおっちゃんに姿をした天使が曰った。

生の特大越前ガニが8杯、アオりイカ3杯とBIGなイワシが2匹。
それにサニーレタス、玉ねぎ、ジャガイモ、きゅーり。
オマケに日本酒一升ビン一本!

これらすべてを地元の漁師
の西崎さんから頂きました!

「カレーが美味くて3杯もおかわりしてもうお腹いっぱい!」
というのはよくある日常のことだが、
巨大な越前カニを何杯もおかわりして食べ過ぎてお腹いっぱいになるというミラクルが起きると誰が予想したであろうか!

あぁ、ここは天国に一番近い近い港だった!

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