ここで葦船を最初に作ったのはもう10年も前のことだ。
それから毎年ではないがこの北上川で何度も葦船学校開催し7艘のヨシ舟が笑顔と共に生まれ川面に浮かんだ。
高知県から伊豆諸島まで航海した17mの葦船カムナ号でも北上川のヨシを使った。
しかし、東日本大震災で穏やかだったこの川も大きな悲しみと傷跡を負った。
ワークショップを開催してきた建物がまるごと流された。
美しかった葦原の半分が失われた。
あれから3年半の時の流れ。
流された建物は新築され、昔と同じ場所で生まれた双子のヨシ舟。
名前は「よしかぜ」そして「川のくまさん」
軽やかに晴れ渡った川面に緑の葦原が映り、笑顔と共にヨシ舟がなめらかに滑る。