海族便り~小泊港から函館港へPART2~

当別港はダメだ。

エンジンを動かすためにやれることは全部 やった。でもかからない。

港の入り口までセールで行った。 風がやんだで潮で流されはじめる。浅い。 座礁ポイントまで300m。 どうしょう。

アンカーを下ろす。 止まったうだ。 漁船に引いてもらおう。 漁協に電話するけど出ない。

どうする?

海上保安庁に電話するしがないのか? そう思っていると、函館に向けて風が風が吹 いた。

一か八かいくしかない! 当別港はあきらめた。

帆を上げて風を逃がす。 座礁ポイントがせまる。 アンカーを上げて帆に風をいれる。 風がポンっとはらんだ。

よし。

暗礁をかわせた。 と思ったら次は定置網のブイが目の前に。今 度はおれらが網にひっかかる。 セールを右に左にタックして逃れる。 ホッとする間もない。 次はマンションみたいな大型コンテナ船が目 の前に次から次へと嫌がらせのようにやって くる。 まるでスーパーマリオだ。

風を受けて、函館港に向けて2時間走った。 風が強くなった!

赤函館港の灯台が見えた。 右に見て回り込む。

岸壁はあいていた。 しげさんと呼吸を合わせる。 ジブセイルを放し船足を止める。 惰性で岸壁に突っ込む。 しげさんが岸壁に飛び降りた。 力一杯ロープを引く。 止まった。

しげさんとガツッと握手をする。

着いた。

image


image