海族便り~玄界灘から響灘へ~

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夜明け前、午前4時を回ったばかり。空が白みだす時刻だ。

雨も濡れた匂いだけを残して上がってくれた。

いつからだろう、日本が島だと実感したのは。

ラパヌイ(イースター島) の兄貴が
日本のことを、
「お前の島」
と、いつも呼んでいた。

この感覚をポケットに入れて海を渡ろう。

さぁ、低気圧のしっぽに掴まって東へと!
風はまだ強い。
小さく畳んだ帆を広げ、
僕の生まれ育った島、
本州へ!