港の入り口で背伸びをして奥の奥を目を細めて見ると幾重にも重なる漁船の向こうに泊めてあるアマナ号がいた。
岸壁に立ち、目の前の相方の船底は、わかめとフジツボが賑やかに揺れている。
ロープを手に取ると、手繰り寄せた分だけ近づいてくる。
ポンと乗る。
そうそう、これこれ!
この海の上の足元が揺らぐ安心感。
そこがいい。
出航までにやることは山ほどある。
船底の掃除、セルモーターとオイルバイブの交換、回転計の修理、航海灯の交換、オーニング(日除け)の取り付け、オイル交換、ジブセイルの補修‥‥。この準備が楽しい。この時間がうれしい。
来月、韓国での葦船学校から帰ったら出航するつもりだ。