海族便り~象潟港よりパート2~

かって遠浅の汽水湖と、無数の小島があっ た。 江戸時代後期の大震災で、海底が隆起し陸地 となってしまった、象潟九十九島。 いまは水田のなかに小島が残っている。田植 えの時期に水が張られたときは、往時の多島 海を彷彿とさせる。

象潟は奥の細道の最北の地で、松尾芭蕉は舟 で島をまわり、能因や西行が詠んだ歌枕の地 をたずねていた。松尾芭蕉のあとも、小林一 茶が訪れている。

「象潟の桜は波に埋れて花の上漕ぐ海士の釣 り舟」西行 「象潟や嶌がくれ行刈穂船」一茶

仁さんとチチカカ湖を葦船で一周したことの ある森重さんは、この風景をとても気に入っ たようだ。

安房葦船プロジェクト
吉良康矢