サバニ作りを訪ねて ~沖縄県糸満~

サバニ
沖縄の伝統的な小型漁船。耐波性の良さと敏捷さにすぐれ、また帆を張ることで外洋を高速で航海することができるという。海人の英知が結集された船だと言える。《沖縄大百科より》
沖縄の糸満で現代に残る木造のサバニ職人と出会えた。
他の伝統文化と同じく沖縄のサバニ職人も時代と共に減り続け今では大城清さんと大城昇さんの両棟梁を残すのみとなった。
できれば会いたいと思ってはいたがそれだけでなかった。
「いまふたりとも新しいサバニの製作中ですよ」
と、案内してくれた糸満 海人工房・資料館の守谷さんは言う。
サバニの新艇製作など近年では滅多にないことだし、それどころか巨匠2人がそれぞれ作っている現場を見学させてもらえることに。
数十年使われ続けられたカンナやノミが艶やかに光り、
美しい魚のように見事な曲線に刻まれた杉板が輝く。
極められたものだけが持つ独特な存在感がまぶしい。
船フェチにはたまらないというかありえない奇跡だ。
機械が作り上げる正確な形を否定はしないが、人の手が生み出す命は息づかいさえ感じられる。
大城清さんは言う、
「この船と乗ってる仲間が1つになったらまるで生き物と同じだよ」
言葉が心地よく染み渡る。
嬉しいことにこの伝統的な造船技術と帆漕技術は舟大工が減少する中、製造技術を弟子の高良さんに継承されている。
糸満 海人工房・資料館にも足を運ぶと管理されてるNPO法人ハマスーキ代表理事 上原謙さん自らがおもしろおかしく力強く説明してくれた。正に歴史の語り部だ。
悠久の海人(うみんちゅ)に触れた大いなる時間が心地よく流れた。
糸満 海人工房・資料館
http://www.hamasuuki.org/about/about.html
10406914_946189108788829_9073573713650388129_n

1208489_946189232122150_5854701980627410183_n

10296577_946189345455472_136526337751557849_n

10172786_946189498788790_2041169149158177246_n

10155373_948706938537046_6345956313289745168_n

10011455_946188802122193_380341571199506903_n